教育費を貯める!子育てにかかるお金とライフプラン

先日、日本証券業協会主催のセミナーに参加しました。

その名も「子育てにかかるお金とそれに備えたライフプランについて」。

子どもの教育費がどのくらいかかるか、また今後のライフイベントに備えるために必要なお金を確保するための資産運用が主な内容でした。さすが証券業協会主催なだけあって、まったくの素人の私でも理解できるように丁寧に説明してくださり、「資産運用」なんて縁がないと思っていた私にも目からウロコな内容ばかりでした。最後には個別の質問にも乗ってくださり、今後のライフプランについて考えさせられました。

目次

子どもの教育費

以下の例を見ると、幼稚園から大学まで、一人の子どもにかかる教育費は13,124,482円だそうです。(幼稚園から高校まですべて公立、大学のみ私立を選択した場合にかかる教育費)

幼稚園(公立)649,088円
小学校(公立)1,926,806円
中学校(公立)1,462113円
高等学校(公立)1,372,072円
大学(私立)7,014,400円
出典:(幼稚園~高等学校)文部科学省 平成30年度子どもの学習費調査 (大学)日本学生支援機構 令和2年度学生生活調査。


そして、こちらが進路別の教育費総額。

幼稚園小学校中学校高等学校大学(4年制)
公立64.9192.7146.2137.2549.2
私立158.5959.2421.7290.4771.4
出典:(幼稚園~高等学校)文部科学省 平成30年度子どもの学習費調査 (大学)日本学生支援機構 令和2年度学生生活調査。  幼稚園~高校は保護者が子供の学校教育及び学校外活動のために支出した経費の総額、公立大学は学費と生活費の合計。国立は+20万円。

もちろん学部によっても違ってきますが、すべて公立の場合は約1,090万円、すべて私立の場合は約2,601万円の計算になります。高等学校においては支援金の給付や私立高校の授業料の無償化、奨学金の利用など、上手に利用したいところですね。

ライフプラン

子どもの教育費だけでなく、リタイア後の家計収支について考えていくと、主に年金収入だけを考慮した場合、現実的な支出(食料・住居・光熱費・医療費など)と比較すると、やはり不足が生じるとのこと。

数年前に政府が発表した衝撃の「2,000万円」とまではいきませんが、それなりの金額を預金等で補填しなければならないそうです。

自分のライフプランを立てるために、ライフイベントのシミュレーションができるおすすめサイトがこちら。今後のライフプラン設計に役立ちそうです。

 ・金融庁「あなたとNISA」ライフプランシミュレーション
 ・金融広報中央委員会 生活設計診断(知るぽると)
 ・日本FP協会 ライフプラン診断

資産運用

資産運用って言われても、毎月家計費とにらめっこしてやりくりし、スーパーで1円単位の金額にも悩む私たち。ピンとこないですよね。

今のところ、何とか年金はもらえそうだし、節約もしてる。最近の物価高には辟易するものの、なんとかやりくりをして、将来のためにとりあえず貯金!という主婦の方、多いと思います。私もそうでした。

最近よく聞く「つみたてNISA(ニーサ)」や「iDeCo(イデコ)」。何言ってるかわからないし投資なんて勉強する暇もなければ余裕もない。

忙しい私たちには無理って思いますよね。勉強もしないで投資をするなんて、怖いし。

でも将来のために貯金は必要。そこで「資産運用」を考えるのがベストなんですって。

具体的に何をすればいいか。

その答えが「つみたてNISA」や「iDeCo」なんだそうです。

「資産運用」というと、何十万、何百万円の大金をつぎ込んで、画面とにらめっこしながら状況を日々チェックする・・・なんてイメージがありましたが、いろいろ調べてみると、全然そんなことはありませんでした。

毎月普通預金から貯金に回している方も多いと思いますが、その中から一定額を「別の口座に積み立てる」というイメージが一番しっくりくる感じです。

もちろん、金融商品である以上、詳細な条件や制限などはたくさんあります。

細かく説明してくれるサイトもたくさんありますので、詳細はそちらにお任せするとして、ここでは誰でもわかるイメージをつかんでいただくことを目的にざっくりとしたイメージをつかんでみてください。

つみたてNISA(少額投資非課税制度)

NISAとは、投資した額が非課税になる制度です。
利益や配当金に対し、通常20.315%かかる税金が非課税になります。

例:10,000円で買った株が12,000円で売れた場合
  <NISA制度未利用>
   売値12,000円 ー 買値10,000 = 利益2,000円
   利益2,000円 - 税金約400円(約20%) = 1,600円(手元に残る金額)
  
  <NISA制度を利用>
   売値12,000円 ー 買値10,000 = 利益2,000円
   NISA制度を利用すると税金が引かれないため、まるっと2,000円が手元に残ります。

これは一般NISA制度を利用した株式売買の一例ですが、毎月一定額を積み立てて、投資信託(資金をプロに預け、運用してもらうもの)として運用するのがつみたてNISA。

一般NISAとは扱っている商品も異なりますが、金融庁が厳選した投資信託のため、初心者向けとも言えます。

毎月100円から積立できるのもお手軽ポイント。まずはお試しでやってみるというのも一案です。

また、現時点では投資額・投資期間に制限がありますが、2024年からは大きく変更され、さらに利用しやすくなります。今のうちに少しずつ知識を深めて、是非来年からの運用を検討してみてくださいね。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

年金を個人で積み立てるもの。

「自分で貯金するのと何が違うの?」と思いませんか?シンプルに自分で貯金しておけばいいんじゃない?と。でもちゃんとメリットがありました。

 ・掛け金が所得控除の対象となる
 ・5000円以上から1000円単位で積み立てできる
 ・受け取り時に「退職所得控除」が受けられる

例を見てみましょう。

例:毎月1万円を積み立てる場合
 <自分で毎月1万円貯金する>
  年収500万円 ー 所得税約100万円(約20%) = 約400万円(手取り)
  400万円 ー 12万円(年間貯金額) = 388万円

 <iDeCoで毎月1万円運用する>
  年収500万円 ー 12万円(年間運用額)=488万円
  488万円 ー 所得税約97.6万円(20%)= 約390.4万円(手取り)

収入に対して税金がかかるところ、iDeCoを利用することによって、運用した分を引いた金額に対して税金がかかるようになるため、同じ金額を貯蓄に回しても最終的に残る金額に差が出ます。

上記の例だと毎月1万円の運用で、年間2万4千円もの違いが出ます。これは大きいですよね。

これを長期的に考えていくと、節税効果はてきめん。

例えば30歳で年収500万円の方が毎月5000円を65歳まで積み立てた場合。積立金額は210万円、税額軽減額は42万円にもなります。

税負担のシミュレーションができるサイトがこちら。

iDeCo公式サイトの「かんたん税制優遇シミュレーション」

年収・加入開始年齢・掛け金を入力するだけで、iDeCoに加入した場合の掛金の所得控除による税控除額が確認できます。個人情報などの入力は不要なので、ぜひシミュレーションしてみてください。

ただし、完璧に見えるiDeCoにも注意点がいくつか。iDeCoは所得税・住民税など税金面で優遇される制度であり、課税所得があることが大前提。課税所得のない方には対象になりません。つまり、扶養範囲内で働いている場合には所得税はかからないため、iDeCoの恩恵にあずかることはできないのです。

また、iDeCoはあくまでも「年金」の扱いなので、60歳までは受け取ることができません。余剰資金での運用が必須となる点にも注意です。

結論

つみたてNISA、iDeCoともに税制面での優遇があることは分かりましたが、単純な積み立てや貯金とは違い「運用」という点に注意が必要。

「運用」である以上、利回りもとても大切な要素です。

平均利回りは3~5%と言われていて、長期保有することでリスクを抑えつつ資産を増やせる可能性が高いこともポイント。

投資信託にもいくつものタイプがあり「元本確保型商品(貯めたい人向き」や「投資型商品(増やしたい人向き)」など選択肢も様々。自分自身で投資信託をじっくりと選ぶことができます。

ただ、iDeCoについては扶養範囲内で働いている主婦や専業主婦には税制面でのメリットは感じられませんでした。自分で所得税・住民税を支払う局面に立ったときに選択肢に加えるべきですね。

扶養範囲内で働いているならば、まずは証券会社に口座を作り、積み立てNISAから始めるのがベスト。

もっと学びたい方は、日本証券業協会から基本からきちんと知りたい人のための「投資の時間」というコンテンツが提供されています。投資について「1から」楽しく学べるコンテンツが盛りだくさんということで、初心者から学べる内容となっています。

LESSON形式になっているので、マイペースに進められます。まずは「基礎編」のLESSON1からさくっと楽しく勉強しちゃいましょう!

個人差はあれど、すべての人が考えるべき今後のライフプラン。しっかり勉強して、将来に備えられるといいですね。

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この記事を書いた人

趣味はiPhoneと旅行・クルージング。日々忙しい小中学生ママのために、子育てに役立つ情報や、ママ世代が知っておきたい厳選した情報などをお伝えします。
「母」と「妻」としてだけでなく「私」の立場も大事にすることが、大切な家族を守ることにつながると信じている一児の母。

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