【2024最新】スポーツ振興保険って何?PTA保険との違いは?学校からパンフを配られたら

待ちに待った新学期。学校からたくさんの書類を持って帰ってくる中で、「スポーツ振興保険」「学校保険」「スポーツ保険」などのパンフレットがありませんでしたか?

あれ?少し前にも別の保険のパンフレットをもらってきてたような・・・

学校からもらってくる保険のパンフレットは主に2つ。
「PTA保険」と「スポーツ振興保険」だね。

今回のは「スポーツ振興保険」って書いてあるわ。
耳慣れない言葉でよくわからないけど、加入しなきゃいけないの?

どちらも任意だよ。
今回は「スポーツ振興保険」について、詳しく説明するね!

【実例】骨折時にスポーツ振興保険を申請した記事はこちら。合計〇〇〇万円も!

PTA保険に関してはこちらに詳しく解説しています。

目次

「スポーツ振興保険」って何?

スポーツ振興保険、略して「スポ振」とも呼ばれるこの保険は、「日本スポーツ振興センター」の業務のひとつで「災害共済給付及び学校安全支援業務」というもの。

どんな時に給付されるの?

次の二つの条件に当てはまる時に給付されます。

  • 学校の管理下でケガをした場合
  • 窓口での支払い合計が1,500円以上の場合

学校の管理下でケガをした場合

「学校の管理下で起こったけがなど」に対して健康保険が適用される受診が対象です。

授業中・はさみで指を切る
・遠足で虫に刺される
・体育の時間の熱中症
・調理室のガス漏れによる中毒 など
学校の教育計画に基づく
課外指導中
・部活動試合中の転倒
・プールでの溺水
・漆などによる皮膚炎 など
休憩時間中 および
学校の定めた特定時間中
・休憩時間に鉄棒から落下
・階段から滑って転倒
・給食による食中毒
・友達の肘が目に当たる
・おもちゃの誤飲
通常の経路 および
方法による通学・通園中
・通学中に自転車で転倒
・下校中に自動車と接触
2023年4月1日現在 日本スポーツ振興センター公式サイトより。上表医療費の他に障害見舞金・死亡見舞金等も支給されます。

窓口での支払い合計が1,500円以上の場合

給付の対象となる診療報酬点数は、500点以上が目安です。医療費は1点10円で計算するため、総額5,000円(窓口負担3割:1,500円)以上ということになります。

医療費総額5,000円 × 3割 = 1,500円(窓口負担額)

この金額目安は1回あたりではなく、そのケガが原因での医療費の総額。処方箋が発行され、保険薬局から調剤を受けた場合での支払金額も合算できます。

いくら給付されるの?

医療費全体の金額の4割が給付されます。健康保険証を提示して3割支払ったあとで、4割が戻ってくるイメージです。

例えば、医療費が総額で10,000円の場合、社会保険・国民健康保険により、通常の医療費負担は3割(3,000円)です。

通常の医療費負担(スポーツ振興保険を利用しない場合)

医療費総額10,000円 × 3割 = 3,000円(窓口で支払う額)

スポーツ振興保険を利用した場合

医療費総額10,000円 ×(3割 + 1割)=4,000円(申請後給付される額)

スポーツ振興保険に加入していると、いったん窓口で3割(3,000円)を支払いますが、それに加えて1割(1,000円)の付加給付が支給され、合計で4割(4,000円)が給付されることになるのです。

この付加給付は「治療に伴う費用」とのことですが、使途は問われません。通院にあたっては病院への交通費や小腹が空いた時の軽食などなど、何かとお金がかかるので、助かります。

また、入院の場合は入院にかかわる療養分の4割に加え、食事療養標準負担額も給付されます。

「スポーツ振興保険」と「PTA保険」の違い

冒頭にあったように、学校からもらってくるパンフレットは主に2種類。「スポーツ振興保険」と「PTA保険(子ども総合保険)」です。

スポーツ
振興保険
学校管理下で起こったケガなどに対して、総支給額の4割を支給
PTA保険生活全般におけるケガなどに対して、あらかじめ定められた金額を支給

スポーツ振興保険は医療費の4割を支給することに対し、PTA保険は医療費の金額にかかわらず、一般的な傷害保険と同様に「ケガでの通院1回につき〇〇円、入院1日につき〇〇円」というように支払われます。ただし「ケガをした日から起算して180日を限度とする」などの条件があります。

PTA保険について、詳しくは別記事で記載していますので参考にしてみてくださいね。

保険の掛け金は?

義務教育の小中学校では年間で920円。保護者の割合は4~6割、残りを学校側が負担します。著者の子どもが通う公立小学校では、5割負担(460円)でした。加入者から集めた共済金を、被災者に支払うという「共済」の形をとっています。

学校種別共済掛金
小中学校920円(460円)
高校(全日制)2,150円 (1,075円)
高校(定時制夜間)980円 (490円)
高校(通信制)280円 (140円)
高等専門学校1,930円 (965円)
幼稚園270円 (135円)
認定こども園270円 (135円)
保育所等350円 (175円)
2023年4月1日現在 日本スポーツ振興センター公式サイトより
※()内は沖縄県における共済掛金

毎年5/1~5/31が契約期間なので、原則それ以降の申し込みはできず、前年度からの自動更新もされません。ただ、その期間に保険料の支払いが行われれば、遡ってその年の4/1に以降の災害が給付の対象となります。お子さんが手紙を持って帰ってきていないか、要チェック!

保険の申請方法は?

事故発生~保険申請までの流れ

STEP
事故発生!

学校の活動中にケガ!

学校管理下においてケガなどが発生した場合が対象です。保健の先生などにスポ振を利用したい旨を伝えて、必要書類をもらいましょう。

STEP
医療機関受診

お手持ちの保険証を提出し、医療機関を受診。自治体で発行されている「こども医療受給券」などを使ってしまうと、スポ振の給付は受けられなくなってしまうので要注意!医療機関にこども医療受給券の提示を求められた場合は「学校(スポ振)の保険を使います」と必ず伝えましょう。

STEP
書類作成

書類の作成を医療機関で依頼します。

書類の作成は、月ごと/医療機関ごとです。複数回受診する予定があるときは、その月最後の受診日に依頼するとスムーズ。

この書類の作成は、医療機関の特別な配慮で協力をいただくものなので、すぐに書いてもらえるとは限りません。また、郵送料を支払うことで郵送に対応していただけるケースも。確認してみましょう。

STEP
給付金申請

病院から書類を受け取ったら、学校に提出しましょう。受診した月から2年間の間に請求しないと時効になります。

STEP
給付金支給

内容が審査され、基準に該当すると指定した口座に給付金が支払われます。3か月程度時間がかかることがあります。

必要書類

学校での一般的なケガの場合、提出すべき書類は主に以下の3つです。

書類名称内 容
医療等の状況ケガの内容やかかった医療費を、医療機関に証明していただく書類
調剤報酬明細書処方箋に基づいて保険薬局から調剤を受けた場合の費用を、薬剤師に証明していただく書類
高額療養状況の届1か月の医療費が7,000点(70,000円)以上の医療費の請求の際に必要な書類

その他、状況に応じて、歯牙欠損診断書、治療用装具・生血明細書、障害診断書、死亡見舞金支払請求書などの書類が必要になったり、受診科によっても用紙が異なったりすることもあるため、不明な点は学校に相談してみてください。

給付金の入金はいつ?どうやって?

  • おおむね3か月後
  • 指定した金融機関口座に振り込み入金

独立行政法人日本スポーツ振興センターの審査を経て、約3か月後に、申請時に指定した金融機関口座へ給付金額が振り込まれます。小中学生の場合は、市の教育委員会からの振込となるようです。時期がくると学校から通知されますが、4か月以上たっても連絡がない場合は学校へ問い合わせてみましょう。

こんな場合は対象にならないため、要注意!

  • 自治体の医療費補助制度を利用した場合
  • 損害賠償を受けた場合
  • 学校内でのケガでも「学校管理下」に当てはまらない場合

自治体の医療制度を利用した場合

こども医療費補助制度や母子家庭・父子家庭を対象とした医療費補助制度など、自治体の医療制度を利用した場合には、スポーツ振興保険の給付対象にはなりません。スポーツ振興保険を優先させましょう。万一、うっかり医療機関の窓口に受給券を提示して自治体の医療制度を利用してしまった場合には、速やかに自治体へ連絡しましょう。

損害賠償を受けた場合

通学中の交通事故など、加害者がいて損害賠償を受けた場合にも対象にはならないことがあります。災害共済給付と損害賠償を二重に受けることができないためです。審査が必要となるため、学校に相談しましょう。

学校管理下に当てはまらない場合

例えば、地域の野球のクラブチームで日曜日に学校の校庭で練習試合をしているときなどは「学校管理下」に当てはまらないため、給付を受けることはできません。

また、自宅でリモート授業を受けている場合の事故も、原則として給付対象になりません。(病気療養児に対する同時双方向型授業配信を受けているときは、給付の対象となり得る場合があります)

まとめ

小中学生は500円程度、高校生でも1000円程度の負担金で大きな補償をしてくれる、「スポーツ振興保険」。学校では活発に行動して欲しいのが親心ですよね。けれど家では目が届いても学校での行動はわからないのも事実。いざというときに慌てないよう、この機会にじっくり考えてみてくださいね!

実は、著者キリコの息子も授業中に骨折した際に大きな恩恵にあずかることができ、保険の大切さを身をもって知りました。

学校でのケガでいくら給付されたの?結局どの保険が一番良かったの?といった疑問が解決できる記事はこちら。実際に〇〇〇万円給付された内訳や、支払った医療費総額との差額も載せていますので、ぜひ参考にしてくださいね!

子供の保険、気にはなっているけどどうすればいいかわからないという方は、ぜひこちらの記事を。

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この記事を書いた人

趣味はiPhoneと旅行・クルージング。日々忙しい小中学生ママのために、子育てに役立つ情報や、ママ世代が知っておきたい厳選した情報などをお伝えします。
「母」と「妻」としてだけでなく「私」の立場も大事にすることが、大切な家族を守ることにつながると信じている一児の母。

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