消費者金融、昔はサラ金と言われていた時代もありました。
という認識の方も少なくないかもしれませんが、法律を犯し無許可で営業しているヤミ金などとは違い、消費者金融は行政の許可を得て法律に沿って運営されている金融機関です。
正しい知識をもって利用すれば、何ら危険なことはなく、融資を受けることができます。
この記事は
- 消費者金融の利用を促すものではありません。
- 消費者金融の利用を咎めるものでもありません。
著者キリコが以前、消費者金融の無人契約機の「中の人」だった時に経験した内容をもとに、無人契約機を使った詐欺のケースを紹介し、詐欺の被害者にも加害者にもならないよう注意喚起することを目的としています。
- 無人契約機での契約って、こんな感じ
- 無人契約機で詐欺をしようとする人たちって、こんな手口!
- 身分証明書って、大事!
消費者金融の無人契約機ってどんなもの?
よく聞く消費者金融の無人契約機。テレビコマーシャルでもよく目にするので、気になっている人も多いかもしれません。無人契約機は、人に会わずに契約できることが最大のメリット。ほかにも営業時間が長くてお勤め帰りに利用しやすかったり、申し込みからカード発行までが一度の来店で完結できたりすることなどが人気の要因です。
来店から契約までの一般的な流れ
持参した必要書類をスキャンで読み取り、提出
画面のガイダンスや、雑誌、スマホなどで時間をつぶしながら待機(30分~1時間程度)
審査に通れば契約。金利や利用限度額・返済金額などを確認
カード発行後は併設されているATMからすぐに借り入れがOK
審査過程は企業秘密
審査の基本的な内容は、どの消費者金融でもほとんど同じです。
まずはCICやJICCなど信用情報機関において、登録されているクレジットヒストリー(クレヒス)の照合が行われ、審査の根拠とするのです。CICはおもにクレジット事業者、JICCはおもに消費者金融が加盟していて、どちらも国から指定を受けている指定信用情報機関です。
さらに会社ごとに審査の過程が異なる場合もあり、独自の審査過程は公表されません。
審査見送りになって犯罪に走る人たち
通常、このような審査を経て無事に契約が成立となりますが、他社での借り入れが多すぎたり、過去に支払いが滞っていたりする情報が信用情報に登録されてしまっている場合、審査が通らず見送りまたは希望通りの額面の借り入れができないということも多々あります。
もちろん、自分の状況を理解して納得する方がほとんどではありますが、中には資金借り入れの必要に迫られ、理性を失ってしまう人も。
無人契約機の「中の人」だった著者。そんな人たちを何人も見てきました。理性を失った人たちが次にとる行動とは・・・
Case1:変更前の氏名や異なる読みを使い、現在の借り入れ状況をごまかそうとする詐欺
現在の自分の信用情報が使えないと知り、別日に何食わぬ顔でやってきて、別人としての信用情報を使って借り入れをおこなおうとするケースがありました。
え?「別人として」って、どういうこと!?
微妙に個人情報を変えて、データベースの網から抜け出そうとする人たちがいるんです
個人の信用情報は、基本的にカナ氏名が用いられます。
運転免許証は読み仮名がふられていないため、ICチップを読み込まない限りは読み方はわかりません。同じ漢字を使った違う読み方をすれば、別人として認識される場合があるのです。
例えば、「新田」さんという苗字は「あらた」「にった」「しんた」と読ませることができるし、例えば「友香」さんというお名前は「ゆか」「ゆうか」「ともか」など、さまざまな読み方をすることができます。これを組み合わせることで、氏名をごまかし、実際の自分の信用情報を隠そうとするケースです。
また、婚姻や離婚する前の姓が明記された身分証明書を使い、現在とは別の氏名での信用情報を審査に使用しようとするケースも。
このように、変更前の氏名や異なる読みを使って、別人としての信用情報を審査に使用させようとする手口がありました。
もちろん、金融機関もきっちりと対策は取っています。すべての組み合わせの読みや旧姓で複数の信用情報を取得したり、本人へいくつかの確認をしたりします。少しでも不審点があれば徹底的に審査を行うため、この方法は通用しません。逆に虚偽の読みであることが判明した場合には、信用情報に大きく影響するので絶対に避けましょう。
Case2:拾った財布の保険証を利用して無人契約機を使う詐欺
拾った財布や盗んだカードケースなどから取得した身分証明書を使おうとするケースも多くありました。健康保険証などの顔写真のないものを使い、本人に成りすまして契約しようとするのです。
犯人は、無人契約機だと警戒心が薄れるのか、あたかも記載されている情報が自分のものであるかのように振る舞い、堂々と申込用紙に記載します。途中でバレそうと感じると「用事を思い出したので・・・」「電話がかかってきちゃったので・・・」などと言い訳をして退出しようとします。
「無人契約機」と言っても対面式でないだけであり、カメラで一部始終を撮影され、当然しっかり監視はされています。また、本人でないと答えに窮する質問などに対して即座に答えられないなど、不審な点があった場合には即座に通報されます。
悪用を避けるため詳しい手口の記載はここでは避けますが、財布などと一緒に運転免許証や健康保険証を保管している方は、意図せず犯罪に利用されることがあるので要注意!
財布を落とした場合はクレジットカードの不正利用ばかりに目が行きがちですが、免許証や保険証が盗まれていなかったからと、100%安心はできないのです。
落とした財布に入っていた身分証明書が知らない間に使われて消費者金融の無人契約機で契約され、即座にATMで満額の借り入れを行われたとしたら、あなたが気づくタイミングは数か月後。支払いが滞った際に送られてくる「督促状」です。
落とした財布が無事に返ってきたからって、喜んでる場合じゃないね!
そう。既に犯罪に使われてる可能性もあるの!
知らない間に借金を背負わされていた・・・なんてことのないよう、身分証明書の管理はくれぐれも気を付けましょう。
誰にでもできる防犯対策。万が一に備えて!
財布やカードケースを失くす前のひと手間
ちょっと考えてみてください。
あなたの財布の中、何が入っていますか?
この問いに正確に答えられる人は多くないでのはないでしょうか。
毎日見ているはずの財布やカードケース。毎日見ているからこそ慣れてしまって何が入っているのかあいまいになってしまっていませんか?
- 身分証明書(運転免許証・健康保険証・社員証・学生証など)
- クレジットカード(発行会社は?銘柄は?枚数は?)
- 診察券(どこの病院?枚数は?)
- その他ポイントカード(個人情報の登録はしている?スマホアプリと連携してる?)
- 現金(だいたい幾らくらい入ってる?)
万が一、紛失してしまったときに、何が入っているかがわからないと危険です。特にクレジットカードは紛失届を出さないと悪用されてしまう可能性が高いですよね。発行会社がわからないと、紛失届を出すことも困難。先日、知人が財布を失くしたときにクレジットカードの発行会社がわからず、片っ端から電話で確認する羽目に陥っていました。
そんなことになる前に超絶おすすめなのが、このひと手間。
財布やカードケースの中身、スマホで撮影しておきましょう!
財布やカードケースの中身を入れ替えるタイミングで、写真をとっておきます。これをいつでも見られるようにしておけば、万が一の時にも優先順位がつけやすく、落ち着いて行動が取れるのです。
紛失防止トラッカーは超優秀!
身分証明書などをカードケースに入れておく場合は、紛失防止トラッカーを一緒に入れておくのがおすすめ。手元にないと気付いたときに、どのにあるかがスマホですぐに調べられます。お守り代わりに財布やカードケースに忍ばせておけば、万一の時に役立ちます。
iPhoneユーザーなら断然こちら。Appleのエアタグは、買い切り型で一つ当たり3千円ちょっと。11gと軽く、電池も2年以上持つので超おすすめです。
キーケースやカードケースに入れやすい、Anker社製のトラッカー。2.4mmの薄さで、財布のカードポケットにぴったりです。iPhoneユーザーも使えます。
我が家はiPhoneユーザーなので、エアタグを全員のキーケースに付けています。このエアタグ、どこに置いたか忘れがちな子どもの水筒などの持ち物にも付けていますが、本当に重宝します。月額費用などは一切かからないので、お子さんのいる家庭にも超おすすめです。
まとめ
あなたの身分証明書の管理方法、本当に大丈夫ですか?面倒だからと、財布やキーケースと一緒に持ち歩くのは本当に危険です。
以下の記事で運転免許証や保険証などの持ち歩きの危険性について解説していますので、是非参考にしてみてくださいね。